節水は大切だけど……水量を多めに設定してほしい
ボクたちは以前、洗濯機の各メーカーさんに電話して、水量設定の根拠をヒアリングしたことがあります。ところが、どのメーカーさんも明確な根拠がありませんでした。「節水」を追求するあまり、理想の洗いやすすぎについての研究は二の次なのかな、という印象を持ちました。
言うまでもありませんが、洗濯機は「洗濯」のためのものです。
汚れや臭いが落ちない、黄ばみや黒ずみになりやすいなど、洗濯に少しでも不満があるなら、これからはちょっとめんどうでも、自分で水量を多めに設定してほしいと思います。
洗濯機の時短コースは、ふつうの設定よりさらに水量を少なくしていることがあるので、とくに気をつけてください。
すすぎの回数自体は増やす必要はありません。ほとんどの洗濯機がすすぎ2回の設定になっていると思います。使っている洗剤に「すすぎ1回」と書いてあったとしても、すすぎは2回にするのが理想的です。
洗剤を水に溶かしてから衣類を入れると生地が痛まない
水は服にダメージを与えています。
そのため、洗濯機を使用するときに手動でやってほしいことがあります。そもそも、水自体にかなり洗浄力があります。洗浄力があるというのは、裏を返せば繊維にとって刺激があるということです。色が抜けたり、縮んだり、傷んだりする原因になります。そうならないように、衣類を水から保護しなければなりません。
そのために使うのは、洗剤です。洗剤にはもちろん洗浄成分が入っていますが、しっかり水に混ぜると、衣類を水の攻撃から守ってくれるのです。
タテ型の洗濯機なら、まず洗濯槽に水を張ります。その水に直接、洗剤を入れます。そして2~3分、洗濯機を回します。これで泡が立つので、そこで初めて衣類を入れてください。このひと手間で、洗剤がムラなく溶けて泡立ち、衣類を保護してくれます。
タオルをこのやり方で洗ってみると、いつまでも吸水性が落ちず、ふっくらした風合いが長持ちして、びっくりすると思います。ドラム式の場合は、水と洗剤を先に混ぜることが難しいので、事前に水と洗剤を1対1の割合で混ぜたものを、洗剤ケースに入れればOKです。
このワンアクションで、服が長持ちするようになります。
洗濯物の量は、洗濯槽の6割までにする
せっかく水の量を多くしても、同時に洗濯物の量を増やしたら意味がありません。
むしろ、水量は多くして、洗濯物の量はいままでより少なくする。それくらいの意識でちょうどいいのです。水に対して洗濯物は6割程度、と心得ましょう。といっても、見た目ではわかりにくいですよね。