現在、1日に1500人ほど陽性者が判明していますので、数倍の陽性者数になるでしょう。夏の持ち込みでも死亡数は増加せず、秋の死亡率も低値で不変でした。感染者が増加しても、死亡数は増加しないことが予想されます。

11月18日に公開されたGoogleの「COVID-19 感染予測」と12月の予測数はほぼ一致しています(注4)。集団免疫による2月下旬から3月に急減する予想も今後注目していてください。

1日数千人の陽性者は「流行」とは呼べない

あるウイルスにかかると、他のウイルスにはかからなくなることが知られています(注13)。ウイルス干渉と呼ばれます。

今年のコロナウイルス感染症は、従来のコロナウイルスではなく新型SARS-COV2だけになることでしょう。後ほど解析されて2021年夏ごろに報告されると思います。

これは、新型コロナウイルスだから増加しているというわけではなく、コロナウイルスとしての自然な振る舞いだと思っています。現在は、1~2月の1日に数千人の陽性者発生に向けて上昇しているところです。東京は、それは単純に人口比である5~10%になるでしょう。それは、全国に蔓延している証左となります。

もし予想通り推移するなら実は2019年年末から日本人の体にとっては、少しだけ形が違う季節性コロナウイルスに見えていたことを示しています。通年と同様の変動なので、新型だからという理由の大流行ではありません。

それでも、「陽性者が急増しているんでしょ」「パンデミック再来が怖い」と思った方に次の図表をお示しします。

図表6.通年のインフルエンザ患者数と死亡者数との比較 Fig. 6 Comparison between the numbers of influenza patients and deaths throughout the year

新型コロナの感染は小規模にとどまっている

ワクチンや薬があり重症度が違うインフルエンザと比較するのはフェアではない、と思われるかもしれません。けれども数で規模の比較を行うことは可能です。

毎年インフルエンザは、ピーク時には1日に数十万人の方が発症します。厳密に追跡調査していないので実数はもっと多いでしょう。実際のインフルエンザ数のグラフはコロナウイルスの50~100倍近い大きさです。死亡率がものすごく低いため、数十万人発症に対して1日に50人ほどの方が亡くなります。1年で数千人が亡くなります(注14)