30代が「マンション」から「戸建て」に移行

「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査(首都圏)」をリクルートが行った。緊急事態宣言後に行われたこの調査によると、アフターコロナで働き方が変わったことで家に対するニーズが変わってきている。

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通勤回数が減ることで、駅から離れた立地に居住する志向が強くなり、在宅ワークが増えることで、広さと部屋数を求めるニーズが強くなった。これにより、マンションよりも戸建てを検討する世帯が増えた。

確かに、戸建ての主要な面積・間取りは100平方メートル・4LDKだが、マンションは70平方メートル・3LDKになる。「もう1部屋需要」は戸建てが受け皿になっている。

このリクルートの調査では、マンション志向から戸建て志向に移った人が以前の調査より10%多く出現している。特にこの傾向は都区部から離れた郊外において、20~30代の若年層に顕著で、最も取得者が多い30代では戸建て志向に移った人が20%増えるに至っている。こうして、持ち家ではマンション離れの傾向が進んでいる。

昨年12月調査と比較して、「広さ派」が10ポイント増加(52%)し、「駅距離派」が10ポイント減少(30%)し、その結果として、「一戸建て派」が63%と7ポイント増加している。ちなみに、マンション派は22%と10%も減っている。

「都心寄り、駅近、丈夫で長持ち」が最優先

分譲戸建ての建物価格はおおよそ1200万円である。分譲戸建ての平均価格は首都圏が3500万円で、35年の住宅ローン返済なら、年間100万円に相当するので、12年程で建物価格は全額返済し終えたことになる。

土地の資産価値はあまり変わらないので、土地代が高いところのほうが物件価格の値下がり幅は小さくなる。つまり、都心寄りで駅近の物件のほうが資産性では有利ということだ。不動産においては立地が常に最優先事項である。

資産性のある戸建てを選ぶ方法のその次は、建物の資産価値が落ちない物件を選ぶことに尽きる。そこで丈夫で長持ちする家を探すことになるが、そこには国の制度がある。住宅性能表示制度と長期優良住宅だ。

住宅性能表示制度は良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するために国が作った制度である。良質な住宅という基本性能を10項目で評価し、比較可能にしている。これには、設計段階だけではなく、施工品質についても第三者が検査することが行われている。この10項目の中でも資産価値に大きく影響するのが、耐震等級と劣化等級だ。