司法試験、司法研修で身につけた「リーガルマインド」とは何か?

未成年者の飲酒は良いことではない。世間では「悪いこと」に位置づけられている。悪いことだとなれば、当然そこに一緒にいた大人も悪いことになる。だから山Pは悪い。

これが一般的な考え方だろう。

しかし、未成年者の飲酒は法律で禁じて罰則を付けるようなことなのか?

この問いに答えを出そうとすると、「そもそも」罰則を付けて法律で禁じるのはなぜなのだろう? と一段上にさかのぼって、そもそも論を展開する必要がある。

これを僕ら法律の世界では「リーガルマインド」という。

日常生活でも仕事でも、目の前の事象についてどう対応すればいいか迷うときは何度となくある。

ルールがはっきりあればそれに従えばいいが、ルールが明確でない場合にどうすればいいか? またルールがあったとしても、そのルールが本当に正しいのか疑問を抱く場合にはどうしたらいいのか?

それには論理的に一段上にさかのぼって「そもそも論」を展開し、そこから答えを引き出してくればいい。このようなリーガルマインドを徹底的に習得させられるのが、司法試験でありその後の司法研修である。

「どう答えを出していいかわからないときに、一定の答えを出す力」と言ってもいいだろう。

現代国家日本には無数の法律があるけど、それでも世の中のあらゆる事象を解決できるものではない。これだけ無数に法律があるのに、世の中にはどう解決していいのかわからない問題が次から次へと出てくる。

橋下 徹『トランプに学ぶ 現状打破の鉄則』(プレジデント社)

(略)

だから現実の事象を目の前にしてどう解決していいかわからなくなったときに、今ある法律をベースに一段上にさかのぼって、「そもそもその法律はどういう目的で作られたのかという『そもそも論』」を展開し、そこから解決策を導くのがリーガルマインドというものだ。

この力は僕が知事、市長、国政政党の代表という政治家のときには大いに役立ったし、何よりも、今、無責任なコメンテーターとしてメディアで持論を展開するときに、大いに役立っている。

ほんと司法試験の勉強をしていてよかったと、しみじみ思うね。

(略)

(ここまでリード文を除き約2500字、メールマガジン全文は約7000字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.213(8月25日配信)の本論を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【わが家のリーガルマインド教室《基礎編》】子どもたちと激論! 未成年飲酒で山Pの責任は? PCR検査はどこまで拡大するべきか?》特集です。

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