子どもたちに「お父さん凄い!」と言わせようとしたら……

僕は一気に答えを論じてしまった。

「未成年者が酒を飲んでも他人を傷つけへんやろ。自分を傷つけるだけや。これを自己加害っていう。だから本来は法律で禁じるものではない」

「そやけど、国が未成年者を『守る』という思想で、未成年者の飲酒を禁じる法律を作った。ここでの注意は未成年者を罰するためではないということ。未成年者を『守る』ことが目的だから、未成年者本人は酒を飲んではダメだよというルールを一応作ってあるが、それに反しても罰則の適用はない」

「ただし未成年者を『守る』目的から考えて、親が子どもの飲酒を止めなかったり、営業者が未成年者に酒を販売したりした場合にはそれら子どもの周辺の大人たちに罰則の適用がある」

「そもそも未成年者が酒を飲む行為自体に罰則をつけて禁じるものではないので、周辺の大人たちを罰するのもここまで。一般の大人たちまで罰則の適用があるわけではない」

「だから山下さんは法律違反ということではないんや」

子どもたちは「へーーー」と、感心した顔をしてくれた(笑)

(略)

「ただこれは法律上の話であって、タレントはイメージがすべてだから、そのイメージを守るためにジャニーズ事務所がどのような処分を下すかは別の話。もちろんやり過ぎな処分の場合は問題になるけど、CMスポンサーに対する配慮などで、事務所が厳しい処分を下す場合はある。どのような処分を下すかはジャニーズ事務所にも営業の自由がある」

「それと、未成年であることを知った上で、その女の子に変な性的なことをやった場合には、これは淫行条例違反などで罰則が適用される場合があるけど、ここはジャニーズ事務所への忖度なのかメディアがあまり取り上げていないわな」

(略)

さらに調子に乗って

「未成年者の飲酒は他人を傷つけないので、未成年者本人には罰則の適用がないということを話したけど、それは自殺が罰せられないのと同じなんや」

と深入りの話を加えて、「なるほど。お父さん凄い!」と子どもたちに言わせてやろうと思った。

そうしたら子どもたちが「未成年者の飲酒の場合には、未成年者にお酒を飲ませた親や営業者が例外的に罰せされて、一般の成人は罰せられないのに、自殺の場合には、自殺を助けた人は自殺ほう助罪ですべて罰せられるやん? こないだそういう事件があったよね。そもそも未成年者飲酒は、罰則がないにせよ本人には飲酒をしてはいけないという法律上のルールがあるのに、自殺には本人に自殺をしてはいけないという法律上のルールはないよね。その違いは?」と迫ってきた。

(略)

こりゃ、教えるということは本当に大変だ。