イースター航空は反日不買運動で自滅

国土面積が日本よりも小さい韓国において、国内には大韓航空とアシアナ航空の大手のほかに、済州航空やジンエアーなどLCCを含めて航空会社が8社存在しており、市場の観点からみても、供給過多の傾向がありました。韓国規模の国であれば、大手航空会社が1社、LCCが2~3社程度であれば十分でしょう。需要と供給のバランスを崩せば市場は崩壊する、または、企業は淘汰されていくのは必然なのです。

しかし、問題なのは、コロナ以前から進められていた航空業界の統廃合による再編が、今回の危機によって頓挫している点です。従業員含めて、関係職員が職を失うことになってしまいます。

19年夏においては、LCCの売上高の約3割を日本便が占めていましたが、日韓対立に伴う「反日不買運動」によって訪日韓国人が激減し、日本便は大幅に縮小していました。

昨年8月に起こった韓国の「反日不買運動」により、日本旅行のキャンセル続出はLCCの経営を直撃しました。そこに追い打ちをかけたのが「コロナ禍」であったわけで、順番としては「反日運動」が先なのです。どちらにしても、「歩みよりの精神」がなければ、結局わが身に巨大なブーメランのように返ってくることになると言えるでしょう。

反日不買運動の前後での状況

昨年の韓国航空業界の状況を振り返ってみると、反日不買運動が起きるまでは、日本線の旅客数は、前年同月比で増加を続けていました。しかし運動が最も過激になった8月にはマイナスに転じています。一方で、その当時、中国線が13%、アジア線(日本、中国除く)は15%、欧州線は10%それぞれ増加していました。反日感情から、日本線から中国線、欧州線へのシフトを強めようとしていた矢先に、新型コロナウイルスの影響で全世界が強制的に移動の制限を強いられることになったのです。

昨年7月1日に、経済産業省が「ホワイト国」から韓国を除外する方針を示すとともに、特定品目である、「フッ化ポリイミド」「フォトレジスト」「フッ化水素」を包括輸出許可から個別許可に切り替えると発表しました。

これを受けて、韓国は日本への敵対心から、「NO JAPAN」「日本製品の不買運動」が始まりました。ユニクロ、日産、アサヒビールなどが韓国の不買運動の矢面に立ち、韓国事業から撤退する企業も出てきています。

直近の反日の動きとしては、韓国で慰安婦問題を象徴する「少女像」に安倍総理とされる男性がひざまずき謝罪する像が設置されたことが分かっています。これは、日韓関係で新たな火種となるでしょう。

これに対し、菅官房長官は「事実かどうかということは確認しておりませんけれども、そのようなことは国際儀礼上許されないと思います。仮に報道が事実であるとすれば、日韓関係に決定的な影響を与えることになる」(菅義偉官房長官)と述べています。

世界的危機の状況において、反日をかざして対立している場合ではないという国民の意見もあります。