コロナ禍を生き抜くヒントを探し出す

既存の教会の多くは新型コロナウイルスに対応できず、機能不全を起こしています。スピリチュアルな意味合いで言えば、人間の関心が宗教的な意識に向いているのに、すくい上げられていないのが実態です。伝統と儀式を強調する東方正教会、カトリック、ルター派、長老派、メソジスト派、聖公会などは特にそうです。キリスト教系の新興宗教も受け皿になりえていません。

逆に、融通無碍に変わることができるプロテスタントやユダヤ教のリベラル派は、近代と相性のいい宗教だと言えます。アメリカの教会は元々インターネット化しているところが多いですし、私の通っている教会もズームやユーチューブを使って礼拝を行っています。ただし、近代と相性のいい宗教は社会との軋轢が少ないので、強烈なエネルギーを生むには至りません。

また、20世紀以降のアメリカの大統領で、カトリックはケネディ(35代・民主党)1人だけ。残りは全員プロテスタントですが、バプテスト派が多く、長老派は3人しかいません。国際連盟をつくったウッドロウ・ウィルソン(28代・民主党)と、軍人時代にノルマンディー上陸作戦を実行したアイゼンハワー(34代・共和党)。そして、第45代のトランプ大統領。いずれも神がかった人たちです。

長老派の特徴は、打たれ強いことです。どんな逆境に置かれても、自分は選ばれた存在だと信じ、神さまが試練をお与えになっているのだと捉えるからです。世俗での成功は選ばれたことの確認になるので、非常に大きな意味を持ちます。

トランプ米大統領の信仰する長老派の特徴は、打たれ強いこと。(時事通信フォト=写真)

その代わり、負けを認めず、反省しません。新型コロナウイルスや人種差別反対デモへのトランプ大統領の対応は、俺は間違えていない。だからやり方を変えないという態度です。強い信念はカルヴァン派の思考の特徴ですが、そのマイナスの面が出ていることを感じます。私がトランプ大統領を嫌いなのは、メンタリティが似ているために近親憎悪的な感情が湧くためかもしれません(笑)。

聖書や仏教の経典には様々な言葉が出てきますから、必要に応じて抽出して読み解き、現実に活かすことです。ビジネスパーソンや企業経営者が、コロナ禍を生き抜くヒントが必ず見つかるはずです。

(構成=石井謙一郎 撮影=村上庄吾 写真=時事通信フォト、Getty Images)
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