「これだけは削れない!」という費目はけっこう削れる

3‐2)節約のスキルを身につける絶好のチャンスと考える

今、お金の問題で、人々が悩ましく思っているのは、日々の「節約」ではないでしょうか。どのように節約すれば支出を切り詰めることができるのか、と。今回、月の収入が、数万円程度減ったという人も、ほとんどがなくなってしまった人も、それぞれの事情に応じた節約が必要となっています。

写真=iStock.com/rema
※写真はイメージです

そもそも収入と支出のバランスをとることはマネープランの大原則ですし、生きていく上で欠かせないノウハウです。しかし、平常時にはなかなか本気で向かい合うことができません。基本的には「削る」「何かをガマンする」ということだからです。

しかし、この苦しい時期にいやおうなく節約と向き合うことになったはずです。苦しい時期ですが、なんとか乗り切るべく工夫してみてください。

普通の暮らしをしているときは「これだけは削れない!」と思っていた支出も、実は苦しいときにカットしてみると、実はそれほど困らないというケースは少なくありません。

削る費目の見つけ方のコツは、まずは次に掲げるような「固定支出」に着目することです。

・水道光熱費
・通信費(携帯電話、スマートフォン、インターネットなど)
・生命保険や損害保険の保険料
・小遣い
・定期購入しているもの(サプリメント、使い捨てコンタクトレンズなど)

これらを見直して不要のコストを少しずつ削ってみてください。解約の手続きはすこし面倒ですが、確実に生活費が浮きます。また、変動費である食費も、毎日の買い物でムダな支出を徹底的に削ってみましょう。当たり前の出費を疑ってみることが、実は大きな支出減の入り口になるかもしれません。

3‐3)家計の支出が変化する ムダな出費を削り、それを活きた出費に変えられるか

コロナ禍で、「家計」の構成が大きく変化しています。

「巣ごもり消費」と呼ばれるように、インドア支出が増加する傾向があります。ECサイトの利用額は増加しましたし、定額動画見放題サービスであるNetflixの会員も急増しています。自宅で癒やしを感じるゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」(ニンテンドースイッチ)も大人気ですがダウンロード販売が好調と伝えられています。。また、自炊が増えたことによって飲食品の購入費や光熱費も増えました。

一方、減った支出もあります。あまり利用していなかったジムの月会費がゼロになったり、上司とのムダな付き合いの出費もなくなったり、終電を乗り過ごしてタクシーを利用する機会がなくなったりと、家計のいくつかの項目が大幅に削減されています。

こうした時期にはぜひ「本当に意義のある支出」や「実は意味のなかった支出」を見極めるきっかけとしたいものです。

いつもなんとなく支出していた予算を、日常生活を続けながら削ることは簡単ではありません。しかし、こうした緊急事態においては大ナタを振るってカットすることができます。一度削ってみると、まったくムダなコストであったことに気づかされることも多いです。

ただ、あなたの精神を豊かにし心落ち着かせてくれる趣味や生きがいのための支出などはストレスの多い時期だからこそ残してかまいません。場合によっては、拡充させてもいいのです。上手にお金を使って、ストレスを抱え過ぎないようにしてください。