「他人を傷つけず、SNSを活用してほしい」
誹謗中傷行為は罪に問われる。具体的には、名誉毀損罪や侮辱罪、信用毀損罪などだ。名誉毀損罪が認められるためには、不特定多数が見る場で具体的な事実を挙げ、社会的評価を下げる内容を投稿している場合だ。事実ではない場合は侮辱罪にも当たる可能性がある。
「A店の牛丼はまずい」ならただの感想だが、「A店の牛丼には虫が入っている」は事実をあげて社会的評価を下げているので、名誉毀損罪に当たる可能性があるというわけだ。「A店の店主の嫁はブサイク」などは主観に基づくものなので、侮辱罪に当たる可能性があるかもしれない。
6月8日、ジャーナリストの伊藤詩織さんは記者会見を開き、SNS上で事実に基づかない誹謗中傷の投稿により精神的苦痛を受けたとして、女性漫画家ら3人に対し、損害賠償などを求める民事訴訟を起こしたことを明らかにした。
うち2人は、投稿を「リツイート」したとして、今回の訴訟の被告人になっている。過去の裁判例でも「リツイート」でも名誉棄損による損害賠償を認める判決が下されている。この点はしっかり認識しておくべきだろう。
批判や意見、感想と、誹謗中傷は異なる。誹謗中傷は相手への尊厳に欠けるものがほとんどだ。誹謗中傷は言葉の暴力となり相手を深く傷つけるので、絶対に書き込まないことだ。既に述べてきたとおり、内容によっては罪に問われたり、損害賠償を請求されたりすることもある。SNSコミュニケーションを楽しむ際には、他人を傷つけることがないようにしてほしい。