検事総長以外の検察官の定年を63歳から65歳に引き上げること、検事総長以外の検察官は特例を除き63歳を迎えたら役職定年を迎えること――を柱とした検察庁法改正案が今国会に提出されたが、芸能人を含む数多くの著名人がSNS上で「反対」を表明、法案成立は見送られることになった。反対派の主張には誤解に基づくものも多かったが、それでも多数の国民が声を上げたことは素晴らしいことだと橋下徹氏は総括する。それはなぜか。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(5月19日配信)から抜粋記事をお届けします。

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芸能人を含む国民の直感的判断は学者の判断よりも絶対に「まし」

今回の問題では、芸能人・著名人が、特にツイッター上で抗議の声を上げた。「#検察庁法改正案に抗議します」が、大氾濫したね。

写真=iStock.com/takasuu
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この点に関して、自称プロ政治評論家の側から、「検察庁法改正案」をしっかり勉強してから声を上げるべきだ、という旨の批判の声も上がった。

しかしそれは違う。

国民は日々自分の仕事で忙しい。政治で議論されていることを、事細かに調べる時間などない。そういう国民の労働によって税金が納められて国家が運営されている。きちんと勉強してから政治に声を上げろ! というのはプロの政治評論家側からの横暴極まりない論だ。

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ただし同じ国民でも、公共の電波やメディアで発言する者や、政治評論を生業としている者、学者などすなわちプロの政治評論家側は、当然しっかり勉強してから意見を発してもらわなければ困る。ここはプロである以上、それは当然のことだし、お互い勉強しあった者どうしが意見をぶつけ合うからこそ、ベターな解が見つかるというものだ。

だから僕は、こういう「プロ」の政治評論家を相手にする際には、「もっと勉強してこい!」のフレーズを多用する(笑)

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