テレビを消して、子どもに笑顔で接しよう
何かを「学ぶ」ことには精神的な余裕や体力が必要だ。子どもの様子をチェックして、心身ともに疲弊していると感じたら、家庭学習を強いるのは待ったほうがよい。
では、子どもにどう対処すればいいのか。例えば、
・テレビを消して陰鬱な話題を子ができるだけ耳にしないようにする。
・勉強とは関係のないバカ話で盛り上がる。
・親子でYouTubeを鑑賞する。
・近所の公園へ親子で出かける。
・一緒に料理をする。
そうやって親子で時間を共有し、できるだけポジティブな気持ちを維持できるように努めることこそ、いま求められる親のサポート方法ではないだろうか。いわば適度な「ガス抜き」が子どもたちの心に少しずつ「鋭気」を与えるのだとわたしは考えている。
こういう試みにすぐ取りかかれる保護者は子が学力を伸ばすよう導ける可能性が高い。だが、大多数の保護者は伸ばすことができない。ヘタすると伸びる芽を摘んでしまう保護者さえいる。
家庭学習のコツは欲張りすぎないこと
子どもの学力を伸ばすことのできない保護者はどんなタイプなのか。先ほども少し触れたが、学校や塾の先生の役割を担ってしまおうとするのはその典型である。
「子どもは学校も塾の授業もなく、朝から晩まで自宅にいる。それなら、中学受験の勉強もたくさんできそうだな」。子どもに「勉強のボーナスタイム」が贈られたかのような勘違いをしてしまう。
あるいは、今まで学校や塾に勉強面を任せ「やさしい親」で通していた人が、四六時中親子が顔を突き合わせることが増えたため、教育パパ・ママに豹変してしまうケースが出てきている。わが子の様子が細かく目に入ってきてしまい、急に教育熱が高まってしまうのだ。わたしの耳にする範囲でいえば、「共働き世帯」にこの傾向が強いように感じる。
彼らがやってしまうのは、例えば……。
・朝から晩まで膨大な学習量を消化しなければいけないカリキュラムを立てる。
・子の学習の様子が気になって数分単位でその状況をチェックしようとする。
・子の間違いを見つけては、そのたびに叱責する。
こうなってしまうと、親子の対立・葛藤は必至であり、子どもの学力は伸びにくい。いや、伸びにくいどころか、学ぶことそれ自体に嫌悪感を抱くようになってしまう。