ネット通販訴求しかできることがない
小売業においては、営業面で売り上げを確保できる余地はあまり多くはない。できるのはネット通販を訴求することぐらいだろう。セレクトショップ大手のユナイテッドアローズでは、店舗とネット通販を合計した3月の既存店売上高が24.2%減と大きく落ち込んでいるが、店舗が40.2%減と大幅減だった一方でネット通販は値引きセールを実施したこともあり23.9%増と大きく伸びている。このように、セールを連動するなどしてネット通販で売り上げを確保することはできる。
いずれの業種でも、中長期的に問題となってくるのが資金の確保だろう。営業活動で獲得できる資金が限られてくるため、手元資金に余裕がないところは融資などで確保する必要がある。
トヨタもコミットメントラインを要請
すかいらーくHDは3月31日、複数の大手銀行と400億円のコミットメントライン(融資枠)の契約を結んだ。契約期間は1年間。これにより機動的に運転資金を確保できるようになった。この時期のコミットメントラインを巡っては、トヨタ自動車が複数の銀行に対して計1兆円規模の設定を要請していると報じられている。トヨタは19年12月末時点で約6兆円もの手元資金があるが、長期戦を見据えて資金確保に動いたようだ。
今のところ、新型コロナが収束する時期は見通せない。長期戦を覚悟する必要があるだろう。耐えられるだけの資金を確保するほか、営業面ではやれることをすべてやらなければならない。各社の創意工夫と手腕が問われている。