就活生にとってウェブ面接は良いことばかり、ではない

落とし穴①:就活生にとって意外と初期費用がかかる

メリットで「コストの節約」と挙げているのに矛盾しているじゃないか、と就活生の方は思うかもしれません。まず、企業側はウェブ面接を運営する企業と契約します。当然ですが、そこでコストが発生します。企業側からすれば、従来の面接でもコストがかかるわけですし、イベントリスク(コロナウイルスへの感染)を考えれば、安い買い物、と言えるでしょう。

問題は就活生側です。ウェブ面接では、ノートパソコンかスマートフォン・タブレット端末を利用することになります。企業採用担当者やウェブ面接運営企業は「お手持ちのスマートフォンで構いません」とアナウンスするところもあります。が、実際にはどうでしょうか。

企業側はその大半が高速回線を利用しています。一方、学生が古いスマートフォンを使い続けている場合、回線が遅く、場合によっては面接中に回線が切れる、という事態を起こしかねません。採用担当者も人間です。いくら、就活生の責任ではないとはいえ、回線切れトラブルが続くと、それだけでイラッとしてしまいます。

そのため、スマートフォン・タブレット端末やノートパソコンを新しいものに買い替える、あるいは、高速化のプランに乗り換えるなどの対応策が就活生には求められます。

「機材格差」が就活の成否を分けることも

ノートパソコンでカメラを搭載していない機種だと、外付けカメラを購入する必要があります。イヤホンもできれば購入したいところ。

回線越しに会話するのがウェブ面接です。そのため、時には声がお互いに(あるいはどちらかが)聞こえづらい、ということにもなりかねません。このリスクを避けるには、イヤホンを購入する必要があります。イヤホンではなく、ハンズフリー・ヘッドセットという選択もあるでしょう。

スマートフォンの場合、片手で持つ状態だと、どうしてもブレなどが出てしまいます。友人同士の会話なら、それもいいでしょう。しかし、ウェブ面接は採用の是非を決める場であり、ブレ等が発生するのは適当とは言えません。スマートフォンを利用するのであれば、スマホスタンドなどを利用して固定する必要があります。

こうした初期投資が就活生側にも求められます。通常の面接であれば、就活への初期投資といっても、リクルートスーツをブランドものにするかどうか、という程度。しかも、そこで費用をかけたからといって、選考通過の確率が劇的に上がるわけではありません。

一方、ウェブ面接はどうでしょうか。回線落ち、ブレ、声の遠さなど、いずれも採用担当者はストレスを感じます。そうしたトラブルを避けるための初期投資ができる就活生と、そうでない就活生とでは選考通過に相当な差が出るもの、と思われます。