社会人になっても続く親の過干渉

データで見てきた“過干渉親”の影響は、就職活動だけにとどまりません。無事に就職し、社会人となってからも、まだまだ親からの干渉は終わらないということを示唆するデータがあります。

【図表4】によれば、子どもが社会人になっても「自分の近くにいてほしい」と回答した親が6割弱にも達します。息子については両親とも5割以上が、娘については6割以上が、就職後も「自分の近くにいること」を望んでいます。

日本における未婚男女の親子同居率は、ほかの先進諸国に比べて非常に高くなっています。「親の近くで働いてほしい」という回答率の高さは、少なからず親子同居率の高さにも影響しているかもしれません。

就職後も近くにいて欲しいと思う親の割合と、日本の未婚者の親子同居率が実はほぼ一致しています。これは非常に興味深い結果だと思います。

心配という名の「過剰な支配」

次に、【図表5】ですが、こちらは子どもの結婚活動に対してどれだけ親が関与すると回答しているかを示したものです。

子どもの相手選びに関与するとしている親は、父親も母親もほぼ半分にのぼることがデータからはわかります。およそ2人に1人の親が子どもの結婚に干渉するつもりでいる、という結果です。

天野馨南子『データで読み解く「生涯独身社会」』(宝島社新書)

このように子どもが社会人になってからも、その行動に干渉し続ける親がかなり多いことがデータからは見えてきます。良く言えば「過剰な心配」ともいえますが、悪く言えば「過剰な支配」、もっと言えば子どもを所有物、まるでペット扱いしているようにも見えるデータです。

「子どもだけに結婚を決めさせるのは心配だ」という親心は理解できなくもありません。しかし、そもそも論でいうならば、その子が成人するまでのステージで、成人後に自力でライフデザインの選択が可能なしっかりとした判断力を持った子どもに育てるべき、という視点が欠落している考えであるともいえます。

本来ならば、子どもが「独り立ちできること」をサポートするのが親の役目であるはずです。いつまでたっても自分ひとりでは人間関係の構築や意思決定もままならないような子どもに育てて、「心配、心配」と支援し続けるのが親の役目ではありません。

“毒親”が日本の未婚化を加速させる

以上のデータからは、モンスターペアレントに象徴されるような過干渉親がかなり強く、ここ数年、ネット上で「子ども部屋独身」と指摘されるようになった日本の未婚者の姿に影響している可能性の高さを垣間見ていただけたのではないかと思います。