「なぜ欲しいのか」を掘り下げる

小中学生のうちは、買い物をするときは妻や私に「○○を買う」と申告するのがルールになっています。そして、子どもたちが買ったものをどうしているかについてそれとなく気にして、後日「最近、使っていないけど、大切にしている?」「いい買い物だった?」「出しっぱなしで片づけてないよね?」など、本人が使い方を振り返ることができる問いかけをします。大切にしていなかったら「無駄づかいだ」と反省し、次に生かてもらいたいからです。

すべてのものについて問う必要はありませんが、本人の意志でした買い物に「どうだった?」と問いかけて、使い方を意識するように手伝いをしましょう。

横山光昭著『子どもが10歳になったら投資を始めなさい』(青春出版社)

おこづかい制を始めるとき、親としては「すぐに使い切ってしまうんじゃないか」と不安になります。しかし、私はそれでいいと思っています。最初はおこづかいをもらった当日に全部使い切ってしまうという失敗をしたとしても、親は欲しいものを簡単には買ってくれないとわかると、やりくりすることを覚えます。さらに、「そもそも、これは本当に欲しいものなのか」と、子どもながらに熟考するようになってきます。「欲しい」というウォンツの理由を掘り下げていくと、より本質的なニーズが見えてくるということです。

たとえば、「友だちとファストフード店に行きたい」と思ったとき、本当のニーズは「友だちと一緒に時間をすごしたい」ということだと気づくと、「だったら、家に来てもらえばお金を使わずにすむかも」と行動が変わってきます。

計算、管理、金銭感覚など、おこづかいを通じてお金の使い方を考えることは、子どもにとってとても重要な学びと体験です。

こうした金銭感覚の教育は、社会に出ていく前準備になります。なにしろ、私たちはずっとお金を使いながら生きていくのですから。

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