お手伝いは「ありがとう」で終わりたい

もう一つの、お手伝いに応じて渡す報酬制にはメリット、デメリットの両面があります。お金は労働の対価だという原則を覚えるには適しているかもしれませんが、日常的なお手伝いにもお金が絡むとなると、それは正しい親子関係なの? という気がしてきます。

親としては「このくらいやってくれて当たり前」なことを、子どもは「(対価を)もらえないならやらない」となってしまいかねません。ただし、心理的な抵抗を感じないのであれば導入してみるのもいいでしょう。お風呂を掃除したら○円、食事のあとに食器を洗ったら○円、犬の散歩に行ったら○円、テストで満点をとったら○円、決めたルールを守れたら○円など、細かく設定して積み上げていくことになるでしょう。また、定額のおこづかいを少なめにして、一部をお手伝いの報酬制にするという組み合わせもあります。

お子さんのお金の管理能力は上がるでしょうが、個人的にはおこづかいはおこづかいで渡し、お手伝いには「ありがとう」で終わりたいと考えています。

足りないときは「補填費用」から

お金は私たちが生まれた瞬間から一生の間ずっとつき合っていくもので、人生の幸福度を大きく左右します。そして、子どもたちにとって最初にお金の使い方を考える機会となるのがおこづかいです。

横山家では小学3年生から500円のおこづかいが支給され、学年が上がると小学生のうちは100円ずつ上がる仕組みです。おこづかいを始める年齢の根拠は特になく、長女のときのやり方を続けています。

ただ、五女だけは600円からのスタートでした。これは彼女が家族マネー会議で「欲しい月刊マンガ雑誌が580円だから」と主張し、承認されたからです。マンガ雑誌を買うと残金は20円ですが、文房具などの学校生活に必要なものは家計から出すルールなので、残金20円でもかまわないと納得していました。

それでもおこづかいが足りない場面は出てきます。そんなとき、子どもたちは「年間のおこづかい補填費用」から使っています。これはお年玉を貯金と「年間のおこづかい補填費用」に分けたもので、足りない月の分をそれで補ったり、月々のおこづかいでは買えないものを購入したりしています。