自国第一主義を追い続ければ、やがては破綻する

沙鴎一歩は、民主主義国家がポピュリズムや自国第一主義に走ることは、車の車軸を歪めることと同じだと考える。民主主義で国家を運営していくには、車軸を整えるように、民意や国益とのバランスを整えなくてはいけない。有権者の声を巧みに捉えながら国益を強調し、自らの権威を高める。そんな国家運営を続ければ、アクセルを踏み込んだときに車軸が壊れて大事故を起こす。

自国の利益を優先することが外交の基本だが、それにも限度がある。民主主義国家が自国第一主義やポピュリズムを追い続けると、やがては破綻する。グローバリゼーションの進んだ現代社会では、他国との協力や協調なしに国家運営はできない。単独国家は存在しえない。ヨーロッパの国々をひとつにまとめ上げたEUの存在価値はここにある。

EUはEC(欧州共同体)をベースに外交や安全保障の政策を共有し、単一通貨ユーロの導入によって通貨が統合されている。1993年11月にマーストリヒト条約(欧州連合条約)の発効で創設された。加盟国は約30。加盟国間の出入国や税関の審査が廃止され、人と物が自由に移動できる。本部はベルギーのブリュッセルにある。

1党独裁国家の中国でさえ、経済政策に資本主義の原理を取り入れ、「一帯一路」というシルクロードに沿った巨大経済圏構想、つまり他国との連携を重視している。北朝鮮にしてもその中国のお墨付きなしにはもはや存在できない。

サッチャー政権下の1987年以来の歴史的な大勝利

問題のイギリスの下院(定数650)総選挙は12月12日(現地時間)に投開票が行われ、13日の午後には全選挙区の開票作業が終了し、全650議席が確定した。

ジョンソン首相が率いる保守党が第1党を維持し、単独過半数の議席を獲得した。サッチャー政権下の1987年以来の歴史的な大勝利だった。投票率は67.3%だった。

これでイギリスがEUと結んだ離脱協定案や関連法案の下院通過が容易になり、来年1月末のEUからの離脱が実現に近づく。

イギリスBBCによると、保守党が過半数の326議席を上回る365議席を獲得した。最大野党の労働党は改選前から大きく議席を減らし、203議席にとどまった。EU残留を求める北部スコットランド地方の地域政党スコットランド民族党(SNP)は48議席、自由民主党は11議席だった。