他者の視線よりも自分の心地よさを追求する女子たち

このように、世界的にファッションやライフスタイルの流行が、他者の視線よりも自分の心地よさを追求するエフォートレスな方向に向かっているのである。ヘルシーであることが新しい贅沢ぜいたくとされ、スポーツやアウトドア的なアスレジャーファッションの人気とも関係している。

クロスフィットトレーナーAYAもブラトップを中心にコーディネートしたアスレジャーファッションを身にまとっている。彼女はいつもスタイリッシュなブラトップの上にデニムや白いシャツを羽織るのが定番スタイルだ。もちろん、そこからはヘルシーで美しい筋肉ボディが見え隠れする。

ハンサム胸や筋肉ボディが理想とされる中で、下着だけが女らしくセクシーなのは不自然ではないだろうか。女性たちの間で、ブラトップなどのエフォートレスで過剰な女性性を排除した下着が主流になるのも、当然の成り行きだと言えるだろう。今後も、スニーカーのように快適で心地よく、ジェンダーレスな下着がますます人気となってゆくのではないだろうか。

バブル期に登場した「勝負下着」という言葉の意味が変わった

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バブル期に登場した「勝負下着」という言葉も今ではすっかり意味が変化した。当時は誘う下着、誘惑の小道具としての下着であり、男性に向けての勝負を意味していたが、現在は違う。大切なプレゼンやイベントといった、自分の気分を上げ、モチベーションを高める時に女性たちは「勝負下着」を着るのだ。

より強く、前に進むために女性たちは「勝負下着」を身に付けるのである。その「勝負下着」も、今後はAYAのようにカラフルでスタイリッシュなブラトップになってゆくのかもしれない。

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