谷間くっきりのブラ「ピーチ・ジョン」が不評のワケ
日本では、2000年代半ばに10代、20代の若い女性を中心に爆発的な人気となった「ピーチ・ジョン」が苦戦している。2008年にはその人気に目をつけたワコールが傘下に納めるほどであったが、結果的にお荷物となってしまったのである。
《「ピーチ・ジョン」の買収には245億2340万円を要したが収益には貢献せず、11年3月期まで計74億8900万円の損失を計上。13年3月期にも27億円、15年3月期にも62億9600万円の損失を計上しているから、今回の56億3900万円を合わせて221億2400万円を失ったことになる。セクシーイメージの下着ブランド買収は時代の価値観やライフスタイルに逆行し、ワコールに巨額損失を強いる結果となった。(「今、女性の下着に何が起こっているのか」商業界ONLINE)》
「ピーチ・ジョン」と言えば「ボムバストブラ」など強力なパッドで谷間をくっきりつくるブラジャーや、レースにフリル、リボンなどをふんだんに使ったセクシー&ガーリーな下着で一世を風靡した。しかしながら、人気だった通販カタログも2019年秋冬号をもって休刊することになった。「ピーチ・ジョン」ですら、ブラトップに代表されるヘルシー&ナチュラルな趨勢には勝てなかったのだろう。
ヘルシー&ナチュラルなユニクロのブラトップが人気に
日本では、2008年に誕生したユニクロのブラトップが快進撃を続けている。「ブラを付けるストレスからの解放」と「ブラを付けているかのような安心感」を両立したブラトップは、発売から5年後の2012年にはデザインを刷新し、約110色柄の豊富なバリエーションを展開するに至った。
その後も機能性とデザイン性の改良を試み、CMにも吹石一恵や森絵梨佳など人気女優やモデルを起用することでイメージをアップしたため、今まで「ピーチ・ジョン」を嬉々として付けていたような若い女性たちも、ブラトップの虜になっていった。ゆるっとしたワンピースやデニムのインナーには、やはり快適なブラトップが相応しかったという事情もあるが、結果的に今ではブラトップは日本女性の必須下着になりつつあると言えるだろう。