吉本興業の再起に期待したい

問題芸人2人の会見の前後で、会社批判を始める芸人が続出したのも見苦しかった。

人気お笑いコンビ・ダウンタウンのマネジャー等を経て吉本興業HD会長に就任した大﨑洋氏は、吉本興業と反社会勢力との関係を徹底的に清算し、「お笑い」「芸能」を近代化に導き、今日の吉本帝国を築いた豪腕だ。これだけ立派な人であれば、日頃から芸人に対し、マネジメントサイドとして、厳しいことも伝えていたのは想像に難くない。

お笑い芸人からすれば、(自分の下僕である)マネジャー上がりの分際で、自分たちに指図する目の上のたんこぶぐらいに考えていたのではないか。政治家が問題を起こすと秘書のせいにするぐらいの嫌なことを、自分たちのプライドもあって、この際、この騒ぎに便乗して、めちゃくちゃにやってやろうという気分があったとしてもおかしくない。

会社批判の急先鋒だったワイドショーの司会者の名前から「加藤の乱」と言われたが、森喜朗内閣時代に自民党で起きた「加藤の乱」を思い出した。あれも、加藤紘一氏がネットの声などを信用して倒閣に向けて暴走したが、野中広務幹事長ら当時の執行部にあっけなく鎮圧された情けない展開だった。組織内の問題を外部の人間に訴えたところでどうにもならない。本気で組織を改革したいなら、内部で権力を奪う必要がある。その教訓を守ったから、小泉首相は「自民党をぶっ壊す」と言って党員票の大多数を獲得して政権を取った。

実は、今回のことが起きるまで私は、吉本興業の芸人は素晴らしい人ばかりだと思っていた。というのも、私が知っていた吉本興業の芸人は、西川きよしさんただ一人だったからだ。芸人は正義の味方で、会社は悪というのは真実ではない。吉本興業の再起に期待したい。

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