ユニクロの敵もGAPやH&Mからアマゾンに

日本を代表する気鋭の経営者、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長も、かつて長らく「競合企業は米ギャップ(GAP)やスウェーデンのH&Mだ」と発言していた。しかし最近は明確に「競合はアマゾンだ」と断言し、アマゾンに出店しないことも明言している。

鉢嶺登『GAFAに克つデジタルシフト』(日本経済新聞出版社)

アマゾンはファッション分野に力を入れている。有名アパレルから人材をハンティングしたり、米ザッポスなどファッション関係ベンチャーを買収したり、2018年には品川に世界最大級の撮影スタジオを開設したりといった具合である。アマゾンがファッション店舗を展開することはほぼ間違いないだろう。
柳井会長兼社長は敵の敵は味方とばかりにグーグルと提携し、アマゾン対策に乗り出している。このような手法も非常に注目したい。アマゾンがEコマース企業だと思っていたら大間違いだ。柳井会長兼社長はそれを見抜いているからこそ危機感をあらわにしているのだ。

このように、世界市場に対峙している国内大手企業の社長が、相次いでGAFAを意識し始めた。さて、これは前記3社にだけ当てはまる事象だと皆さんは思われますか? 業種がたまたまGAFAに近かっただけ、影響を受けるのは大企業だけ、などと思われますか? 本当でしょうか?

すべての企業はGAFAの対策をする必要がある

私が国内の経営者とお会いすると、「GAFAはうちには関係ない」という考えの方がかなり多くおられる。いまだに「アマゾンってEコマースの企業でしょう」「うちと直接関係するとは思えない」というニュアンスのことを発言される。

しかし、それは大きな間違いだ。GAFAの影響を受けない会社はないと言っていい。GAFAが自社の市場にどんな影響を及ぼすのかを想像し、理解し、すぐに対策を打たないと、近い将来大打撃を受けるだろう。トヨタ自動車やパナソニック、ファーストリテイリング以上の危機意識を持たないといけないというのが私の認識だ。

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