よりよい人生を送るための「思考の道具箱」

ロルフ・ドベリ著、安原実津訳『Think clearly』(サンマーク出版)

ここからは4位以下から、注目の書籍をご紹介します。

4位の『Think Clearly』は、よい人生を送るための方法は「わからない」としたうえで、よりよい人生を送るために使える52の思考法を紹介した、いわば「思考の道具箱」です。何かに行き詰まった時、判断が鈍りそうな時、間違った道を選びそうな時は、まず本書に書かれている思考法を試してみてはいかがでしょう。

そのまま通読するのはもちろん、気まぐれにページをめくり、「気になった思考法を実践してみる」という読み方をしても、得るものは多いと思います。普段は本棚に忍ばせておき、必要に応じて適切な思考法を見つける、という使い方もできそうですね。

アマゾンに潜入取材したノンフィクション

ジェームズ・ブラッドワース著、濱野大道訳『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』(光文社)

7位『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』は、低賃金労働者の実態を明らかにするため、著者自らが潜入取材したノンフィクション。取材先にはアマゾンやウーバーも含まれています。

アマゾンやウーバーは先進的な企業として知られていますが、実際の労働環境は好ましいものではないと著者は言います。例えばアマゾンでは正社員になることはおろか、契約期間を満了することさえ難しいとか。一見すると自由な働き方ができるウーバーも、契約によって縛られている部分が非常に大きいそうです。

本書の舞台はイギリスですが、日本でも重なる部分は多いはず。低賃金とされる各業界の現状を理解するために、お読みいただければと思います。