インターンシップには2タイプある
――インターシップにも力点が置かれていますね。1、2年次のインターンシップにも触れられていて、これだと学生はインターンシップばかりに熱心で学業が疎かになるのではないですか。
インターンシップには2タイプあると考えています。1、2年時のインターンシップでは、キャリア意識をきちんと磨くというイメージです。実は、インターンシップは採用直結でいいんじゃないかという企業もあれば、「そうじゃないだろう」という企業もある。大学のなかでも、採用直結と率直に言われるところもあれば、学習経験が積めない困るという大学もあります。
産学協議会のなかでも議論がいちばん食い違っているのがインターンシップで、いろんな意見があって整理されていない状況です。どうやっていこうか、実は、分科会長として私が頭を悩ましている問題でもあるんです。
――これからのスケジュールは、どうなっていますか。
4月に共同提言を出して方向性だけは示すことができたので、これからは分科会の下にタスクフォースをつくり、そこで議論して具体策をまとめていくことになります。そのメンバーの募集を7月に始めたばかりですし、企業としても、かなり汗をかかないと実効性のあるものはできないでしょうから、かなりやる気のある人にタスクフォースにはいってほしいと思っています。
――かなり思惑が違うところからまとめていくとなると、苦労して具体策をつくっても、「絵に描いた餅」に終わってしまう可能性もありますね。
そうかもしれません。しかし、具体的なアクションにつながるところまでやりましょう、というのが産学協議会の出発点ですから、絵に描いた餅にならないようなものをつくっていくつもりです。
日立製作所 グローバル人財開発部長
1960年生まれ。83年日立製作所入社。一貫して人事・総務関係の業務を担当。電力・デジタルメディア・情報部門の人事業務を担当後、2003年から本社で処遇制度改革を推進。人事勤労本部長などを経て、17年4月より現職。同時に日立総合経営研修所(現、日立アカデミー)社長を兼務。経団連と国公私立大学の代表者で構成する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」では、「今後の採用とインターンシップのあり方に関する分科会」の分科会長を務めている。