老師曰く「人は揺れる。だが、振り子は原点を持っている」

老師の教え5:「振り子は揺れるが必ず原点をもっている」

ある時、2人でタクシーに乗っていると、老師は「人というものは揺れるものだ。揺れない人は面白くない。だが、振り子は揺れるときにも必ず原点を持っている」と言いました。その人なりの正しい「考え方の原点」を持っていれば、少々揺れることがあっても、元に戻ることができます。

私は、この「考え方の原点」の多くを論語や仏教書、成功している経営者の書物から学ぶとともに、藤本老師からも学びました。老師の教えで、最も印象に残っているのは、やはり2人でいるときに「小宮さん、経済は何のためにあるか知っていますか」と聞かれた時のことです。

うまく考えをまとめることができず「わかりません」と正直に答えたら、「経済は人を幸せにするための道具だ。政治も道具」とおっしゃったのです。そうなのです。経済も政治も人を幸せにするための道具なのです。

続けて「それなら、あなたの会社は何のためにあるかわかるね」と聞かれました。経済が人を幸せにするための道具なら、私の会社も小さい会社ながら、人を幸せにするための道具であるはずです。「人」とは、顧客、社員、その他、仕事で関わる人すべてです。

これらのことを教えていただいたのはもう20年以上前のことですが、私の人生にとって大きな財産となったことは間違いありません。私は、藤本幸邦さんという素晴らしい人生の師匠に巡り合うことができ大変ラッキーでした。読者の方の周囲にも、きっと自分のこれからの人生をよい方向に導いてくれる師匠がいるにちがいありません。

関連記事
ビジネスエリートが"教養力"を磨くワケ
"ゆめタウンの男"が店で必ず繰り返す質問
結果を出すリーダーほど和を尊ばない理由
定年退職後に"夫婦でクルージング"の末路
「自分の人生を生きていないとき」人は病気になる