夏休み後半はオプション講座より「△」をつぶす
6年生の夏休み、塾では前半に約3週間の夏期講習があり、短いお盆休みを挟んで、後半に1週間ほどのオプション講座が設定されている。このオプション講座は塾によってネーミングが異なるが、共通していえるのは、オプションという位置付けでありながら、半ば強制的に受講をさせている点だ。家庭から「受講しない」という申し出がなければ、塾側からは特に受講の有無の確認はない。そのため、ほとんどの家庭があまり深く考えずにこのオプション講座を受講してしまう。
だが、このオプション講座の中身は、多くの子が苦手とする単元を集めて、それを満遍なくやるというもので、全員に効果があるわけではない。ここまで順調に学習ができている子であれば、再度弱点を強化できるため意味のあるものになるが、そんな子は全体の2割いるかどうか。
残りの多くの子は、それぞれにたくさんの“わからない”を残したまま、今に至る。また、夏期講習中は毎日授業があり、たとえ「○△×学習法」で家庭学習を進めてきても、やり残している「△」がたくさんあるはずだ。
夏休み後半はそれらの勉強に時間を充てるべきだ。これまで授業のスピードについていくのに必死で、“アタフタ学習”になっていたものに、この1週間でじっくり取り組む。
「合格するための勉強」に切り替える時期
その際に「算数を頑張ろう」といった、ざっくりとした勉強では効果は望めない。算数なら「苦手な『速さ』と『平面図』を完璧にするぞ!」となるべく具体的な目標を立て、それだけに集中する。全部頑張る必要はない。全部頑張ろうとすると、疲れて失速するからだ。苦手対策に集中して取り組める時間は、この先、入試まであまりない。ぜひ、この貴重な期間を意味のあるものにしてほしい。
だが、現時点ですでにオプション講座の代金は銀行口座から引き落とされてしまっているだろう。決して安くないその金額を捨てて、「オプション講座を受けない」という選択をするのは、勇気がいるかもしれない。でも、行ったところで時間を拘束されるだけだ。それよりも、この1週間でできるだけ「△」を「○」にする勉強をしたほうが得点力につながるということをぜひ知っておいてほしい。
これまでは「塾の勉強に食らいつくこと=受験勉強」だった。でも、これからは、塾の勉強ではなく、合格するための勉強に切り替えていかなければならない。それには親の正しい選択力が問われる。