【田原】またタレントになろうとは思わなかったの? AKBじゃなきゃ恋愛もできるだろうし。
【菅本】無理だと思ってました。いちおう元アイドルという肩書でそれっぽい活動はしていたのですが、ファンイベントを開催したら3人しか集まらなかった。タレントになろうとしても、仕事はなかったと思います。
【田原】ファンイベント?
【菅本】トークショーみたいなものです。当時ツイッターのフォロワーが3万人いたし、地元の福岡だったので、100人くらいは来てくれるかなと期待していたんです。いざふたを開けたら3人だけでトークショーというよりガールズバー状態(笑)。
【田原】その後はどうしました?
【菅本】自分が本当にやりたいことって何だろうと考えました。そこで出てきたのが、少人数でいいから誰かに共感されたいということ。顔だけちょっと好きというのではなく、私の考え方まで含めて好きでいてくれる人に、何か伝えられたらいいなと。
【田原】菅本さんの考え方って?
【菅本】私、生まれつき“ぶりっ子”なんです。でも、女子は「モテたい」と言っちゃいけないという風潮があるじゃないですか。私は「ぶりっ子でべつによくない?」と思っていたので、モテを伝えたいなと。ただ、テレビだと、私の思いはきっと表面的なところしか伝わらない。だから、ツイッターやインスタグラム、YouTubeなど、インターネットで発信を始めました。
【田原】発信するって、具体的にはどうやるの?
【菅本】自分で動画を撮影・編集して発信しています。私はメークやファッションが好きなので、「ぶりっ子のための毎日メークを紹介しまーす!」と言いながらメークを紹介する。俗にいうユーチューバーですね。
【田原】反応はどうでした?
【菅本】最初はボチボチでしたが、見た人がコメントをつけてくれたり、友達に「ゆうこすって知ってる?」って伝えてくれて、少しずつファンが広がっていきました。いまはフォロワーが150万人以上います。
You Tubeで儲けるキッカケ
【田原】「ゆうこす」は、菅本さんの芸名ですよね。この呼び名は、いつつくったんですか?
【菅本】芸名というより、高校のときからのニックネームです。昔からのあだ名をそのまま使いました。
【田原】フォロワーが増えて、どうなりしたか?
【菅本】だいたい半年後くらいからマネタイズできるようになりました。たとえば私が動画の中で口紅を塗ると、みんなが「かわいい」「それ欲しい」とコメントをつけてくれて、その口紅がめちゃくちゃ売れるようになりました。それを見た化粧品会社から「こんど新商品が出るので、一緒に動画をつくりませんか」と声をかけていただけるようになって。いわゆるインフルエンサーマーケティングですね。そうした広告案件がどんどん増えて、多いときには月に100本のオファーが届くように。それで会社を立ち上げました。