「ネットが社会を分断している」といわれる。ひとつの仮説は、ネットでは自分と似た意見ばかりに接したがる「選択的接触」が起こりやすいというものだ。だが、最新の研究結果でそれはウソだとわかってきた。10万人規模で論客27人のツイッターのフォロー関係を分析した結果を紹介しよう——。

※本稿は、田中辰雄・浜屋敏『ネットは社会を分断しない』(角川新書)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/kieferpix
ネットが社会の分断を加速しているという通説は、実際のデータから浮かび上がる事実と矛盾する。(※写真はイメージです)

ネット情報の「選択的接触」はリアルより強いか

選択的接触は人間なら誰でもある程度は起こりうることである。わざわざ自分と異なる意見ばかりと接したがるのは、へそ曲がりか特別に戦闘的な人であり、普通の人は自分と似た意見の人のまわりに集まろうとする。それはリアルでもネットでも変わらない。