借金、浮気、DVがあれば「公正証書」を

ほかにも、パートナーの借金や浮気、DVといったことが原因で別居を決めた場合、単に別居をするだけでなく、公正証書を作っておくことも大事なポイントになる。

公正証書とは、一般的には金銭的なトラブルを未然に防ぐため、当事者同士が公証役場に出向き、合意した内容を公証人に書面として作成してもらうことを指す。「パートナーの問題行動についてきちんと取り決めを行った内容を、夫婦間で正式な文書として残す」という意味で、別居をスタートさせるタイミングで作成することも可能だ。

別居したのち「元サヤ」に収まった場合、同じようなトラブルが起こっても公正証書があれば、以前と同じ状態になるリスクは避けられるはず。もしも公正証書を作ることを相手に持ち掛けて拒まれた場合、相手が夫婦関係を改善し、修復しようと考える意思があるかどうかを見極めるバロメーターにもなるだろう。

「元サヤ」に収まる方向での別居と、離婚をスムーズに進めるための別居。同じ別居をするにしても、「半年間」という目安が大切になることを覚えておこう。

岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家
NPO日本家族問題相談連盟理事長。株式会社カラットクラブ代表取締役立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに25年間、3万件以上の相談を受ける。『最新 離婚の準備・手続きと進め方のすべて』(日本文芸社)『再婚で幸せになった人たちから学ぶ37のこと』(ごきげんビジネス出版)など著書多数。
(写真=iStock.com)
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