これから北海道が宇宙産業の中心地になる可能性もある

政府には、ホリエモンロケットの打ち上げ成功を突破口にしてもらいたい。政府は、民間の要望を積極的に吸い上げ、大胆に規制の緩和や構造改革を進めるべきだ。規制緩和や構造改革の目的は、人々が新しい発想に取り組みやすい環境を整備することだ。

世界経済の緩やかな回復に支えられて、日本企業の経営には変化がみられる。“守り”を重視した経営を改めて、多くの企業が選択と集中を進めている。その上で、投資や企業の買収を通して、環境変化への適応と成長の実現を追求する企業が増えている。政府は、規制の緩和などを通して、民間のチャレンジする姿勢を強力にサポートすべきだ。

ISTの取り組みの背景には、北海道庁や大樹町の理解と協力がある。同社がMOMOに続き、衛星軌道投入ロケット「ZERO」の打ち上げを実現できれば、北海道が一躍、わが国宇宙産業の中心地になる可能性もある。

民間の新しい取り組みをサポートし、成功を目指すことこそが、雇用や所得を増加させ、経済の成長につながる。政府が構造改革を進め、民間の活力を生かしていくことがわが国経済のダイナミズム向上に必要だ。

真壁 昭夫(まかべ・あきお)
法政大学大学院 教授
1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。
(写真=毎日新聞社/アフロ)
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