歯周病やむし歯は、菌が原因で起こる感染症。特に小さい子どもがいる家庭の場合は、「親の口内に強力な菌がいれば、子どもにもその菌がうつる。口移しで食べさせたりしなくても、キスなどのスキンシップなどでも感染する。子どもの歯のことを考えるなら、まずは両親が口の中をきれいにしてほしい」と語る。

歯間掃除は必須、理想は1日1回

歯ブラシについては、一概に「これがいい」と言うのは難しい。選ぶ基準は、「その人の歯磨き技術による」からだ。磨き残しが多い人は、大きめのヘッドのもの、口が小さい人は、小回りの利く小さいヘッドのものが向く。

クラプロックスの「5460ウルトラソフト歯ブラシ」は、一般的な歯ブラシの毛が1000本程度なのに対して、5460本もあり密集している。また、歯ブラシは、歯や歯ぐきに45度の角度で当てるのが一番効率よく歯垢が取れ、歯周病予防によいとされているが、クラプロックスは柄が八角形になっていて、持つと自然に45度の傾きになる。通常、歯ブラシは1カ月程度で交換が必要になるのに対し、3カ月程度と長持ちする点もポイントだ。

歯磨きが苦手で、きれいに磨けない人は、電動歯ブラシを使うのもよい。なかでも「音波式ブラシがお勧め」と内田さん。「磨いた後の歯のツルツル感が全然違い、短時間で効率よくきれいになる」と話す。電動歯ブラシを使う場合は、歯磨き粉は研磨剤が入っていない、液体やジェル状のものを選ぼう。

しかし電動歯ブラシは、力を入れて磨く人にはあまりお勧めできない。「磨きすぎて歯の表面が削れ、しみてしまう人もいます」(内田さん)。そうなると、むし歯と同じで、埋めたり詰めたりして治療するしかない。

電動に限らず、手動でも磨きすぎの人はみられるという。「正しい磨き方なら、磨く回数が多くても問題ない。問題は回数よりも、磨く力。強く磨くと、歯がすり減ってしまうので注意が必要」と内田さん。磨く力が強い人には、歯ブラシを鉛筆の持ち方で、できるだけヘッドから遠いところを軽く持つよう指導するという。

歯ブラシによる歯磨きだけだと、6割程度の汚れしか取れない。「必ずやってほしい」と内田さんが強調するのが、歯の間の掃除だ。「フロスか歯間ブラシ、どちらでもいい。理想は1日1回だが、最低3日に1度は使ってほしい」と言う。歯垢は、ついてから3、4日後から毒素を出し始める。また、粘着性が出てきてどんどん取りにくくなるため、毎日のケアが欠かせない。