フロスは、持ち手のない糸状のものが一番コストパフォーマンスがよい。しかし、上手に使うにはコツがいる。初めて使う人は、ライオン歯科材「DENT.EXウルトラフロス」のようなY字型のものや、ユニークなヌンチャク型の、「ガムチャックス」などがよいだろう。
歯間ブラシの初心者で、歯と歯の狭いすき間にブラシを入れるのが難しいという人は、テぺの「イージーピック」のようなシリコンでコーティングされた柔らかいものから慣れていくとよい。歯間ブラシにはさまざまなサイズがあるが、大きすぎると歯や歯ぐきを傷めてしまう。歯と歯の間に無理なく入る小さめのものを選ぼう。歯科衛生士に見てもらい、自分に適したサイズを選ぶのがベストだ。
最大の敵は、間違えたセルフケア
歯ぐきが炎症を起こし、ひどくなると歯を支える土台の骨が溶けて歯が抜けてしまうのが歯周病だ。思春期ごろから感染が始まり、30代の80%が罹患しているといわれている。歯周病予防にお勧めのうがい薬がウエルテックの「コンクールF」。海外製品にはよく使われている、歯周病予防に効果のあるクロルヘキシジンという成分が入っている。「日本で売られている製品では、この成分が入ったものは少ない」(内田さん)。一方サンスターの「バトラーF洗口液0.1%」は、むし歯予防効果のあるフッ素が配合されているので、子どもにもお勧めだ。
口の中が乾くと細菌が増えやすくなる。「歯周病菌やむし歯菌の増殖を抑制する効果もある唾液を出すためには、よく噛んだり、歌ったりしゃべったりして、口もと(もしくは、口まわりの筋肉)をよく動かすことが重要」(内田さん)。
舌の体操をしたり、ガムを噛んだりするのも効果的だ。キシリトール入りのガムなら、むし歯予防にもなる。店頭で売られているものの中には、キシリトール以外の甘味料が入っているものもある。オーラルケアの「歯科専用キシリトールガム」のように、キシリトール100%のものがお勧めだ。
さまざまなオーラルケア用品が売られているが、歯科医院で歯科衛生士が使うようなとがった器具を使って自分で歯石を取ろうとしたり、メラミンスポンジなどで歯の着色汚れを落としたりするのは、「絶対にやめて」と内田さんは強調する。「歯の表面のエナメル質は硬いけれど傷はつく。削れた歯をもとに戻すことはできません」