自己判断は禁物! まずは正しい知識を得ることからはじめよう
風邪やインフルエンザが猛威を振るう冬が終わったと思ったら、すぐに手強い花粉症の季節に……。仕事の疲れやストレスも相まって、気づけば1年中何かしらの薬を服用しているという現代女性も多いはず。
けれど、医師から処方してもらった薬を勝手に途中でやめてしまったり、ドラッグストアで気軽に購入できる市販薬でも、早く効果を得ようと「これくらいなら……」と自己判断で過剰摂取をしてしまったりなど、身に覚えのある人も多いのではないだろうか。副作用の危険を回避するためというのはなんとなく理解できるものの、基本的になぜ用法・用量・期限・期間を厳守しなければいけないのか知っている人は少ない。
そこで、薬の「服用方法」について、改めて正しい知識を得るべく、公益社団法人日本薬剤師会 常務理事の亀井美和子さんにお話を伺った。
用法・用量を守らないと、副作用の可能性も!
「薬の効果や安全性は、臨床試験で用法や用量を検討したうえで承認されます。添付文書に記載された用法・用量は、有効性や安全性が確認されているものです。服用時(食前・食後など)によって、薬剤の吸収や作用に影響する薬もあるため注意を伝えています。自己判断でそれ以外の用法・用量で服用すると、効果が現れなかったり、思わぬ副作用が発現することがあります。悪い作用が起こるのは、用量を多く使用したときだけとは限らず、使用量を減らすことで、症状が長引いたり、抗菌薬などでは薬剤耐性が生じたりすることがあるので注意が必要です」(亀井さん)
また、不適切な用法・用量で使用した結果、重い副作用が生じた場合は、「医薬品副作用被害救済制度」の救済給付の適用にはならないので、薬剤師からの提言は遵守すべきだという。