むし歯や歯周病など口の中の病気を防ぐには、日々の手入れが欠かせない。しかし不適切な道具や間違えた使い方では、逆効果の場合も。オーラルケアのプロが勧めるグッズとその使い方とは――。

家族で歯磨き粉の使い回しはNG

オーラルケアとは、歯ブラシなどの道具を使って、歯や口の中を清潔に保つよう手入れをすること。その一番の目的は、歯周病やむし歯の原因になる歯垢の除去だ。歯垢はプラークとも呼ばれ、食べかすの中で細菌が繁殖したネバネバの物質。歯ブラシなどで物理的に除去するしかない。歯科衛生士の内田佳代さんは「上手に歯磨きをすることが第一ですが、グッズの活用で補ってほしい。それでも取れないところは必ず残るので、3カ月に1回程度は歯科医院でクリーニングを」と話す。

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その内田さんが「クリーニングをしてもらった後の状態を長持ちさせる」と勧める歯磨き粉がサンギの「アパガードリナメル」だ。歯の表面のツルツル感を保ち、着色もしにくくなるのでホワイトニングの効果もある。

「天然由来の成分のため、飲み込んでも問題なく、水が使えない災害時にも使える」のは、オーラルピースの「クリーン&モイスチュア」だ。口の中が潤うので、唾液の分泌が減って口の中が乾くドライマウスの人にもよい。

むし歯になりやすい人や子どもには、フッ素の含有量が多い歯磨き粉を選びたい。以前は、歯磨き粉に含まれるフッ素の濃度は1000ppmまでとされていたが、2017年にこの上限が1500ppmに変更された。ライオン歯科材「チェックアップスタンダード 1450F」は、フッ素の含有量が1450ppmと、一般的な歯磨き粉よりも多い。

冷たい飲食物などで歯がしみる知覚過敏の人には、ライオン歯科材「DENT.Systema センシティブ SoftPaste」のように、研磨剤が少なく、刺激を抑える硝酸カリウムなどの成分が入っているものがお勧めだ。即効性はないが、使い続けると効果がある。

歯磨き粉選びで気を付けてほしいのは「目的に応じて、人により使い分けること」。「たとえば子どもと大人では歯磨きの目的が違う。大人は歯周病予防、子どもはむし歯予防を考え、目的に合ったものを選んで」と内田さんは話す。