気になる「しつこい口臭」を防ぐには、どんなオーラルケアをすればいいのか。歯科医の照山裕子さんは「しつこい口臭を引き起こす歯周病の原因、バイオフィルムを落とすために、朝と夜の1日2回しっかりみがくことが重要。歯磨き後は高速でうがいをすると、口の中をキレイに保ちやすくなる」という――。

※本稿は、照山裕子『“食べる力”を落とさない!新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)の一部を再編集したものです。

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「必ず3回」より「1日2回、しっかり磨く」

一生、自分の歯で食べたい――。

それを実現するために、最も必要なセルフケアは、歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどを用いたオーラルケア、いわば歯みがきです。このケアが、歯を失う原因となる歯周病や虫歯を防げるかを左右します。それに、歯周病はいわゆる「しつこい口臭」の最大の原因です。

ですが、診療現場で患者さんと話していると、その知識は人によって差があると実感します。まず、歯みがきの頻度。「昼食後は必ず歯をみがかなければならない」と思っている方も多いようですが、必ずしもそうではありません。

歯みがきの目的は、歯に付着した食べかすを、キレイに除去すること。食べかすをそのままにすると、それをエサに虫歯菌や歯周病菌といった細菌が増えます。そして、細菌同士が結びつき、繭のような膜を形成し、バイオフィルムになります。

バイオフィルムは約4~12時間で形成され、時間の経過とともに厚みが増し、病原性が高まります。やがて唾液中の成分と反応し、歯石になると自分では除去できなくなりますが、ここまでには約2日ほどの猶予があります。

バイオフィルムが病原性を持たないうちに落とす習慣をつけるというのが、1日の歯みがき回数の考え方です。つまり、朝きちんとみがいていれば、昼食後に歯をみがかなくても、夜で挽回できます。

この考え方が一般的になってきました。そのため、1日3回漫然と歯みがきをするというよりも、重要度を理解したケアに変える発想を。寝る前にしっかり歯についた汚れを落とせば、細菌の増殖を最小限に抑えることもできます。

虫歯菌や歯周病菌の温床であるバイオフィルムを除去するには、毎日の歯ブラシだけでは不十分です。歯ブラシだけでは歯の汚れのうち6~7割しか落とせていないというデータがあります*。しっかり落とすには、デンタルフロスや歯間ブラシが必要です。併用すれば、8~9割落とすことができるはずです(※)

※日歯保存誌48(2)272~277,2005