「よく働き、よく遊ぶ」という傾向にある
高級腕時計やハイブランドの服・靴の所有欲も、総じて高い傾向にあります。無論、懐に余裕があるからこそではあるのですが、「高価なアイテムは自分のテンションを上げるためのコスト。アガるものを買う」(IT・男)は彼らに共通する消費の動機を象徴的に示しています。一億総スマホ時代になり、時計を持つ必要がなくなっているのに、アクティブ・ミレニアルズは時計にも興味があるのです。
アクティブ・ミレニアルズは高給と引き換えにハードワークをこなしている人が多いため、「よく働き、よく遊ぶ」傾向にあります。昨今の若者が、“チル(英語の「Chill out」が語源の若者言葉で、「まったりする」「くつろぐ」といった意味)”を志向するのとは対照的に、余暇も活動的なのがアクティブ・ミレニアルズ。ON(仕事)とOFFの切り替えという意味では、一般的な若者のOFFが“チル”を意味するのに対し、アクティブ・ミレニアルズのOFFはもっとアクティブな消費活動なのです。
【特徴3】将来不安がない
不況下の日本で多感な時期を過ごしてきた「さとり世代」は、将来への不安から堅実な生活や消費を営んでいました。しかしアクティブ・ミレニアルズには驚くほど将来への不安がなく、未来に対してポジティブです。「実家が裕福で当座は路頭に迷う心配がない人」が一定数含まれていること影響していますが、それ以外にも理由は大きく2つあります。
ひとつは、親や友達とのつながりが非常に強く、実際的・精神的両面でのセーフティーネットが強固であること。「会社が嫌になって辞めたとしても、親や親戚の紹介でなんとかなると思う」(銀行・男)、「起業している友達もいるので、いずれ一緒にやるという道もある。将来も特に心配していない」(IT・男)といった声が、それを表しています。
もうひとつが、自分の能力に圧倒的な自信があること。「どこにでも転職できる自信がある」(広告代理店・女)、「今の会社は副業OKだし、お金なんていつでもなんぼでも作れる」(IT・男)といった声からは、限りない自信がにじみ出ていました。
「その気になればいつでも稼げる」という自信
よって、多くのアクティブ・ミレニアルズが、高給をもらっているにもかかわらず現在所属している大企業にも一切執着がありません。彼らの中には「せっかく入ったこの会社に一生しがみついていく」という意識はないのです。育ちに恵まれている人が多いからか、「今まで楽しく過ごしてきたし、今後、仮に景気が悪くなっても明るくすごしていけると思う」(証券・男)といった根拠のないポジティブシンキングもよく口にします。
なお、積極的な資産運用をしている人がいる一方で、収入が高いわりにまったく貯金をしていない(=将来不安を感じていない)という人も、一定数いました。IT系企業勤務で月収40万円の男性(恵比寿にひとり暮らし)は「貯金はほぼゼロ。給料は毎月ほぼ使い切る。交際費が最も大きい」とのこと。これも「その気になればいつでも稼げる、貯められる」という大きな自信の表れです。