今借りているのだから借り換えができないとは夢にも考えていない人をたまに見かけるが、借換先にとっては新規の貸し出しと同じだ。つまり住宅ローンを新規に借りられない人は借り換えもできない。具体的には以下の3点だ。

1.病気等で団信に加入できない。
2.収入が低くてローン残高を借り入れるだけの収入を維持できない。
3.クレジットカード等の借入金で延滞を発生させている(いわゆるブラックリスト)。

1について、金融機関は住宅を担保として確保したうえで、ローンを組んだ人が死亡したら生命保険で返してくださいね、という契約を結ぶ。団信に加入できなければ借り換えもできない。加入の基準が多少緩いワイド団信もあるが、通常は0.3%の金利が上乗せされる。今借りられることは将来借り換えができることを保証しない。変動金利で借りた人は健康の維持が必須だと言える(加えて、自身の意思や行動だけで体調は100%コントロールできないことも付け加えておきたい)。

2は極端な収入減少が発生すると、ローン借り入れ上限の目安である返済比率(年収に占める年間返済額の割合)を超えて、借り換えもできない可能性がある。転職直後等も借り換えができない、あるいは審査でマイナスに働く場合もある。

3は先日新しいiPhoneが発売され、従来より値段が高かったせいで、割賦販売(実質的なローンでの販売)で購入できない人が店頭で続出したとも報じられた。これは収入の問題だけでなく、過去にローンの延滞があると信用情報と呼ばれる借り入れに関する情報に傷がついて、新しいカードが作れなかったりローンが組めなかったりといったことが起きる。いわゆるブラックリストだ。これは通常5年も記録が残る。

最初にローンを組んだときに問題がなくても、その後に信用情報に傷がつけば借り換えができない可能性もある。現在では奨学金や携帯電話の割賦販売など、一見しただけでは借金に見えないものも信用情報機関に登録される。特に家計管理の都合で複数の口座を使い分けている人は、これらの引き落としが確実にできるように、口座に多めのお金を常に入れておくなど、注意しておかないと痛い目に遭う可能性がある。身に覚えがある人は信用情報機関で確認しておくといいだろう。