新たなコミュニケーションと価値観の登場

スカイプがあれば、孤独は感じない

【落合】ネットがどこでもつながるようになってから、僕はどこへ行くにも1人で行くのが好きになりましたね。1人でバーに入って1人でSNSを見ているほうが、誰かと一緒にバーに行くより好き。

【三浦】家族旅行はしないんですか?

【落合】出張に重ねちゃうことが多いかなぁ。家族旅行したら、妻と子供、もしくは妻の母が面倒を見てくれるので3人で行ってらっしゃいして、僕はいなくなります。なるべく一緒にいたくないんですよ、人間と。考えごとしたいから。そこでずっと仕事をしているか、スカイプしている。なんか、フィジカルな人と一緒にいたくないんです。会社とかラボでも誰かと一緒にいたくないんで、ベランダとかにいるかな。

【三浦】1人でいて孤独は感じない?

【落合】別に。あんまり感じない。必要なときに誰かと連絡取れるから。

【三浦】落合さんとか、ホリエモン(堀江貴文氏)みたいな人は何人もいないわけで、そういう人が語る未来の社会像って、ハッキリ言って限定的じゃない?

【落合】そうかなあ。この間、ウチの学生さんがたこ焼きパーティーするって言うから、「楽しそうだね。どこでやるの? 俺も行きたい」って言ったら、「スカイプで」だって。そういうのウチの大学ではよくありますけどね。

【三浦】それぞれ自分でたこ焼き焼いて、スカイプしながら食べる。

【落合】そう。合理的じゃないですか。割り勘する手間も省けるし。ウチは結構皆でハングアウト(Googleのメッセンジャーアプリ)でつながってバラバラに飲み会してますよ。僕も1日3~4時間はハングアウトをつなぎっぱなしにして、学生と話をしてる。

【三浦】そうなんだ。生身の人間じゃないにしても、私の基準からするとメチャメチャ人とつるんでる気がする。

【落合】だから孤独を感じないみたいな。つるもうと思えばいつでもつるめる状態というか、つるんでなくてもつるんでいるみたいな不思議な感じ。