では、孤独死される方はどのようなところに住まれている方が多いのか。昔から多いのは、木造の賃貸アパートで比較的貧しい生活をされている方。ただ最近は、ベッドタウンの一軒家も増えています。独り身になり、離れたところにいる子ども家族は滅多に帰ってくることはなく、友人とも疎遠になり、近所にも仲の良い人がいない。さらに新聞も取っていないとなると、気づく人がいないのです。身寄りのない方ではなく、親族がいる普通の人でも、数カ月気づかれない方も少なくありません。
親族が一人暮らしをしている場合、孤独死を防ぐ最善の方法はこまめにコミュニケーションを取ることです。少なくとも2、3日に1回は、メール・電話などで連絡を取り、ときどき家にも行ってあげる。そして、変化に気づいてあげることです。体調の変化はもちろん、部屋が散らかり始めたり、家に来ることを嫌がったりするのも変化のサイン。一人暮らしで体調が悪くなったり、認知症が発症すると部屋が汚れてきます。どんなにきつくても、食べ物を買いに行ったり、トイレには行きますが、朝、ゴミを捨てに行くことができない。孤独死された方の家の6割ほどは、ゴミ屋敷のように散らかっています。こういう方は部屋を見られるのを嫌がる傾向があるのです。「親父が部屋に入れたがらなかったんですよ」というのは私たちが清掃に入る際、親族の方からよく聞く言葉です。
親を孤独死させたくなかったら、子どもであるあなたが、孤独死を回避する術を知り、伝えてください。暑い日があったら電話して、「エアコンつけて寝なよ」とか、「スポーツドリンクを枕元に置いて水分補給してね」と、伝えてあげる。そうすれば、一生の後悔をしないで済むはずです。