自動車保険は「無制限」が必須!

高齢の親が車を運転していたら、任意保険の対人・対物の補償は「無制限」にしておくべき。また、自動車保険の弁護士費用特約は、上限300万円まで弁護士費用を保険金で賄ってくれるし、人身傷害補償は、自分の過失分を保険金で払ってくれるから入っておいたほうがいい。ほかに、他人からの損害賠償請求に備えることができる個人賠償責任保険も有用だ。個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険などの損害保険に特約で付けられる。

極端なケースだが、老老介護に伴い両親間の殺人が起こった場合、家族は「犯罪者の身内」になってしまう。新聞沙汰になれば会社にも知られてしまうだろう。だが、そうなっても人事上の不利益を被ることは原則としてない。

会社の人事は、会社と社員本人の問題に限定される。もし本人が違法行為を行ったら懲戒の対象になるが、親が事件や事故を起こしても労働契約関係には一切影響しない。陰口はたたかれるかもしれないが、会社がそれをもとに何らかの処分をするのは違法である。もし不利益を被った証拠があれば、それを根拠に戦う方法はある。

ただし、親の事件が遠因となって人事異動や配置転換が行われることは予想される。それが自分の意に沿わないことであるかもしれないので、実際にはいくらかの影響はあると考えたほうがいいだろう。