親が高齢になったら、自動車運転のリスクも考えておかなくてはならない。道路を逆走、児童の通学の列に突っ込んでしまうなどの事故は増えている。

自動車事故が起きると、行政手続きと刑事事件、民事事件の3つの手続きが同時に進んでいく。行政手続きは道路交通法違反で、免許の点数の減点や免許取り消しなどの処分。刑事事件については、相手が死傷している場合は過失運転致死傷罪に該当する。ここまでは本人の責任で家族は関与しない。

3つ目の民事事件は、いわゆる損害賠償責任の問題。相手がケガをした、亡くなった、という場合の損害をどう賠償するかということだ。家族にとって一番問題なのはこの部分である。

相手への補償額が「無制限」となる任意保険に入っていれば、保険からの支払いとなるので本人(親)や家族の実質的な負担はない。しかし、強制加入の自賠責保険にしか入っていないとか、任意保険に入っていても補償額が十分ではないという場合には、不足額を自力で補う必要がある。自賠責だと補償の上限が死亡で3000万円、高度後遺障害で4000万円なので、賠償額が1億円、2億円と高額になるケースでは対応しきれない。本人に支払い能力がなければ、自己破産などの対応をしなくてはならないだろう。