消費者金融で借りた合計額は150万円に
だが、それから1週間後にコインは大暴落。さらにコインチェックの流出騒動がこれに拍車をかけた。
気づけば、田中さんが投資のために消費者金融で借りた合計額は150万円にまで膨らんでいた。軽い気持ちで始めた投機目的の仮想通貨ライフは後に引けない状況になっていた。
「実は、消費者金融で借金することに抵抗がなくなってしまいまして……。競馬などのギャンブルや、パソコン購入のためにも借金してしまいました」
むろん、一時的に保有しているコインが値上がりしたときもあったそうだ。だが、田中さんは利確をしなかった。
「このまま持っていたらまた値上がりしそうな気がして、借金はもう少しコインが値上がりしてから返せばいいやという気持ちで続けてしまいました」
手元に残っているのは3万円だけ
だが、それが裏目に出て、借金額はさらに増える事態になった。そこで保有コインをビットコインにほぼ集約し、なんとか値上がりの時期を待ちながら毎月3万5000円ずつ借金を返す。そんな生活を続けていると、18年9月、消費者金融からある連絡が届いた。
「毎月返済はしていたので借り入れ枠が増え、増えた分の20万円の一部をビットコインFXに投資しました」
ビットコインFXとは、未来の仮想通貨の価格変動を予測して取引するという仕組み。最大の特徴は、少ない証拠金で多くの利益を狙える「レバレッジ」で保有額の最大200倍まで投資ができること。一発逆転を狙うにはアリだが、当然リスクも大きい。案の定事態は最悪の方向に進む。
「増資分の金はFXであっという間に消えました。手元に残っているのは3万円。計167万円の損失です」