――金子社長の会社員人生の中で、思い入れのある仕事は。
【金子】新幹線鉄道事業本部の管理部長時代に、現場に話を聞きに回った。すると、国鉄時代は多くの現場長が「ルール通りに仕事を進めることが自分の役割」と思っていたのが、分割民営化から10年がたち「もっといい仕事をしたい」と思う人が増えてきたことがわかった。そこでマネジメントの優良事例を発表する「現場マネジメント発表会」を開いた。優良事例を社内で共有することで、現場はいい方向にむかった。発表会は20年後の今でも引き継がれている。
自分の原点はここにあると思っている。社員の本来持つ力を発揮させ、それを統合する。鉄道会社はヒット商品を次々生み出す会社ではない。安全やサービスを地道に磨き続ける仕事で、その力を社員に発揮させるのが私の役割だと思っている。
1 出身高校
富山県立富山高等高校
2 長く在籍した部門
人事部
3 最近読んだ本
『失敗の科学』
4 座右の銘
「心配な時は、もっと、しっかり準備しよう」と心がけている
5 趣味
読書
東海旅客鉄道社長
1955年生まれ。富山県出身。東京大学卒。78年、旧日本国有鉄道入社。JR東海専務、副社長を経て2018年4月から現職。