男女2人の衆院議員の「路チュー」写真も出た
二階派の議員にはトラブルやスキャンダルが多い。
2017年、今村雅弘氏は復興相の時、「東日本大震災について「(発生したのが)まだ東北で、良かった。もっと首都圏に近いと莫大な、甚大な被害があった」と発言。辞任に追い込まれた。江崎鉄磨氏は同年、沖縄北方相の時に、北方領土問題について「(自分は)素人」と発言したり、国会の答弁については「しっかりお役所の原稿を読ませていただく」と語ったりして批判を受けた。大臣としての能力が問われたという点では桜田氏のパターンに似ている。江崎氏は翌年、体調を崩し辞任している。
大臣以外に範囲を広げると、問題議員はゴロゴロいる。永田町の「ゲス不倫」と言われた宮崎謙介、金子恵美夫妻も議員在職中、二階派にわらじを脱いでいた。
二階派所属の中川郁子氏、門博文氏という男女2人の衆院議員の「路チュー」写真が、週刊新潮に載ったこともある。「二階派は風紀が乱れている」という冗談とも本気ともつかないささやきが漏れる。
清濁併せのむ政治家に問題議員が群がる
二階派と二階氏の歴史に触れておく必要があるだろう。二階派は、正式名称は志帥会という。1999年に発足し、領袖は村上正邦氏、亀井静香氏、伊吹文明氏らを経て2012年、二階氏が引き継いだ。
二階氏は浮き沈みの激しい政治家だ。若いころは、全盛期の自民党竹下派に所属し、竹下登元首相からも小沢一郎氏からも重用された。その後、小沢氏らとともに自民党を離党。野党生活を経て自民党に戻った。政治家としての力量、経験は抜群ではあるが、自民党を離れていたブランクがあり「外様」のレッテルも張られている。
その遅れを取り戻すためにも、派閥領袖になってからの二階氏は「数」を増やすことにこだわった。だから少々訳ありの議員も受け入れる。かねて言動に問題があると指摘されてきた片山、桜田の両氏らが二階派所属なのは決して偶然ではなく、清濁併せのむ二階氏の政治手法が根底にあるのだ。