議員たちが二階氏になびく理由は分かりやすい。二階氏は最近の自民党では珍しい親分気質を持つ。そして少々、無理筋なことでも決断したら押し通す。そして仲間の面倒を徹底的にみる。
「無理筋な決断を押し通した」といえる最たるものが、2期6年までしかできない自民党総裁選の規程を変えて、安倍氏の3選への道を開いたこと。そして「仲間を面倒みる」実績が、片山氏や桜田氏を閣内に押し込んだことだといえる。
しかし安倍首相には2人を守る気はない
総裁3選を実現させてくれた最大の功労者である二階氏に報いるために、安倍氏は2人を入閣させた。そういう意味では、片山、桜田の両氏が今、批判にさらされていることは、安倍氏と二階氏が連帯責任を負うべき問題ともいえる。
ただし「問題閣僚が続出も安倍首相が動じないワケ」でも触れた通り、安倍氏は片山氏ら問題大臣を守り切るつもりはさらさらない。本来なら大臣になれそうにない議員を抜てきしたことで、義理は十分果たしたと思っているのだ。
だから片山、桜田の両氏に限らず問題閣僚が説明責任を果たせなければ更迭することに抵抗感はない。もし、更迭されるような事態になれば、二階氏は表面上では怒ってみせるだろうが、腹の中では納得していることだろう。
閣僚に問題が発生すると、マスコミはよく「首相の任命責任」を指摘する。しかし、その指摘は、安倍政権下ではまったくリアリティーを持たないことをご理解いただけるかと思う。
(写真=時事通信フォト)