副業編

まず身近なのが飲食店の接客だ。学生時代のバイト経験を生かせる人もいるだろう。東京都内であれば時給1000円超えも多い。20代なら新たな交流にもつながり、50代では第二の人生を見据えることも可能だ。

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最近取材したカフェ経営者のなかには、製薬会社の元研究員、出版社の元編集者という異色の経歴も目立つ。もし「3年後にカフェを開業」という明確な目標があれば、“報酬が出るトレーニング期間”として、接客技術を磨く場となる。

お酒が好きな女性ならフロアレディもある。クラブなどアルコールを提供する夜型接客業だ。プレジデント誌2017年4月3日号の記事でも紹介したが、やはり稼ぐのなら東京・銀座がお勧め。渋谷や六本木よりも中高年の客層が多いが、客単価も高いので高時給が期待できる。

「寮を用意し、職と住を備えた店もありますが、それだと人間関係の苦労も多い。昼間は本業を持ち、週に何回かお店に通う副業型の働き方のほうがいいでしょう。私が行く店にも、昼間は結婚式場や病院に勤めている女性がいますよ」と浦田氏は指摘する。こちらもその後、独立開業する人もいる。

語学力も磨ける観光ガイド

訪日外国人数3000万人(17年は約2869万人)時代となり、注目度が増すのが観光ガイドだ。副業にするなら、マッチングサイトに登録するのが一般的で、報酬の目安は半日で1万円だ。接客と国際交流が同時にでき、「英会話学校に行かなくても流暢になった仲間もいる」(専業ガイド)というが、英語など語学力+得意分野を持ちたい。

最近は「日本人の日常生活」や「日本らしい体験」が喜ばれるという。前者なら、たとえば下町の人情酒場に連れていく。後者なら、日本の武道(柔道、剣道、空手、合気道)体験ができる専門道場に案内するなどだ。ただし武道の場合は、集合時間に遅刻したり遊び半分だった外国人参加者を、空手の師範が激怒して叱り飛ばしたという話も耳にした。事前に礼儀を伝えることも大切だ。