さすがは「少年ジャンプ」編集部、これに、うすた先生だけでなく、「磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~」などのジャンプ作品の公式ツイッターが次々に呼応し始め、ジャンプのファンの間から「くまモンとジャンプ編集部で何かが起こっているらしい」と話題になります。
こうなると、もう「出来レース」です。13日には、「抗議」のため、本当に「少年ジャンプ」編集部をくまモンが訪問したのですが、このときもまた連載作品や関係部署のアカウントが一斉にツイートを始めて、お祭り騒ぎになってしまいました。
しかし、くまモンはお祭り騒ぎを起こしに来たわけではありません。熊本県の意向はしっかりお伝えし、集英社もジャンプ編集部の公式サイトでお詫びを掲載し、訂正版のマンガについても掲載していただくことになりました。さらに、267万部のジャンプ本誌でも!
息があって双方にいい形で収束
もちろん、最初からここまで意図したわけではありません。阿吽(あうん)の呼吸とでも申しましょうか。双方にとっていい形で収束することができました。
「少年ジャンプ」編集部で起きた一連のお祭り……もとい、くまモンの抗議の経過については、ネット上のまとめサイトで確認していただいたほうが、臨場感があって楽しめます。ちなみに、この項の執筆に当たっては「ねとらぼ」で検索して当時の事実確認を行っております。あしからず。
なお、この件はさまざまなメディアでも取り上げられました。地元紙「熊本日日新聞」の記事がとても簡潔にしてわかりやすいので、お許しを得て掲載します。
集英社(東京)は、人気漫画誌「週刊少年ジャンプ」にくまモンを無断転載したことについて、同誌の公式サイトで「くまモン氏にはご迷惑をおかけしたことを、ここに御詫びいたしますモン!!」と謝罪した。県は納得し、騒動は穏便に決着した。
問題となったのは、4月28日発売号の読み切り漫画「ゆるキャラ伝説 くまモンじゃないヤツ物語」。くまモンに見立てたキャラクターが登場するパロディーだが、本物そっくりのくまモンも描かれたため、県とくまモンが同社を訪れ、“ゆるく”抗議していた。
サイトはくまモンと集英社側の話し合いの経過を報告。本物が登場する場面の欄外に、県の利用許諾を表記した訂正版も読むことができる
両者の和やかなやりとりは「出来レース」との憶測を呼んだが、県くまもとブランド推進課の成尾雅貴課長は「ジャンプを読んだ職員が初めて気付いた」と説明。訂正については「素早い真摯な対応に感謝する」と述べた。(潮崎知博)
(「熊本日日新聞」2014年5月18日付)