被害女性は早大に対して、報告書への異議を申し入れ

報告書は被害女性の主張について、すべてを認めたわけではない。認められない部分があったことについて、女性は「報告書は公正さを欠いていると感じます」と話す。

「報告書は、公正さを欠いていると感じます。たとえば、私が提出した苦情申立書には、一連の事案とは別件で、大学内で他の女性が被害となったセクハラ事案についても記載しました。その事案を巡っては、とある男性教授が女子学生に体を密着させたと、その現場にいた複数の学生らが証言しています。しかし報告書では『教授は、男女問わず、学生の肩や腰や腕に触ったことはない旨陳述する。教授による学生への身体接触については、当事者双方の主張に食い違いがあり、本調査においては、当該事実の存在を認定することができなかった』と、しています。報告書では全般的に、教員や大学組織の人間が否定している部分に関しては、断定を避けています」

被害女性側は早大に対し、9月3日付で報告書に対する異議を申し入れた。女性は次のように話した。

「これではあまりにも学生の立場が弱すぎます。今後ほかの学生が申し立てをしても、相手方が否認する限りおよそ立証不可能になってしまいます。それに今回の調査は報告書を見る限り、調査委は教員への調査に注力し、学生への調査に力を入れていません。これを最終報告書とするのは問題であると考えます」

早大広報課は「調査につきましては、調査を踏まえての対応を何らかの形で示すことをもって完了と考えております。その意味で、現時点では調査が継続している段階とご理解いただければ幸いです。処分するかどうか含め現時点ではお答えできませんが、そのような場合もしかるべき時期に公表させていただきます」とコメントしている。

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