アメリカにもあるプライバシー監視などの政府からの圧迫
誤解がないようにしないといけないのは、日本の国を守るために命をかけて戦って下さった個々の兵士の皆さんには本当に感謝している。だけど自分たちの保身を第一にし、組織の権益を守るために汲々とし、いかに自分が責任を負わないようにするにはどうすればいいかだけを考えていた軍指導部に対しては腸が煮えくりかえる。そう言えば、森友学園問題での財務省の公文書改ざんや国会での虚偽答弁の組織行為はこの軍指導部の行動様式に通じるところがあるね。さらに軍指導部だけでなく現場においても、特に唯一の本土決戦となった沖縄戦では、軍が沖縄県民を犠牲にしていた事例が山ほど判明している。
(略)
だいたい戦前の日本が良かった! と言っている自称インテリたちは、文句言いが多い。今の日本政府や地方自治体に対して、それこそ野党政治家に対してもボロカスに文句を言っている。あんたら、戦前の日本だったら、監獄にぶち込まれているよ!
政府や軍(自衛隊)に遠慮することのないこの日本がどれだけ素晴らしいか。
(略)
先進国のアメリカやイギリスだって、政府には怖さがある。諜報機関を持ち、国民のプライバシーはかなり監視されているのが現実だろう。
しかし日本には諜報機関がなく、盗聴を許す法律の範囲で厳格なルールに従って盗聴が行われるくらいだ。しかも盗聴の年間件数は微々たるもの。もちろん日本政府も色々と情報収集しているのであろうが、日本国民は日本政府にビクビクせずに暮らしている。
僕も戦前に暮らしていたらどうなっていたか。いまと同じ調子でやっていたら監獄にぶち込まれていただろう。でもそんな軍の強い社会においては、ビビッておとなしくしていたかもしれない。
たぶん、今、威勢のイイことを言って、戦前の社会を肯定する人たちは、戦前の社会体制の下ではおとなしくいい子ちゃんになっているパターンが多いと思う。
こんな今の日本と戦前の日本を比べて、戦前の方がいいというのは僕には理解できない。戦前の日本の方がいい、という人たちは、紙一枚で軍に入らされ、上官からは暴力を受け、戦地に送り込まれても、また何か政府批判をすればすぐに監獄に入れられて拷問を受けてでも戦前の日本の方がいいと言うのかね。