SOSを遠慮なく言える人は介護離職しない

大変な時はMさんが語ったように、ケアマネがサービス事業者とともに状況改善のために力を注ぐし、利用者の方も大波を何度か経験することによって対応の仕方を学び動揺しなくなる。次第に介護の「耐性」ができてくるのです。大変な状況が続き、このままでは自分がおかしくなってしまう、などと絶望することはないというわけです。

「ですから、思いつめて仕事を辞めることはないのです。今は多くの会社が介護に関しては寛容になっていますから、周囲がフォローしてくれるはずです。どうしても仕事を優先しなければならない状況の時は、ケアマネに言ってください。知恵を絞ってサポート体制をつくります。介護が終わった時、辞めて後悔している方、辞めないでよかったと思っている方を見ているわれわれとしては間違いなく介護離職は避けるべきだ、というのが結論です」

介護は社会全体で支えるもの。それが原点であることを頭に入れ、ひとりで抱え込み悩むのではなく、頼るべき部分は頼ると思って取り組んだほうがいいということです。

(写真=iStock.com)
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