実際、資生堂は2017年のデータでは女性管理職が30%を占めていますし、毎日新聞社の新人記者は2016年に女性の方が多くなりました。私自身もテレビの収録などで、女性スタッフの方が多い現場にもよく遭遇しますし、企業関係者から「入社試験を実施すると女性の方が圧倒的に優秀だ」という話もよく耳にします。今はまさに、時代の過渡期なのでしょう。
「女性が女性を採用する」時代が来る
女性管理職が増えれば、人事担当者や採用担当者にも女性が増えますね。女性が女性を採用する社会になれば、容姿よりも能力が重視されるはずです。
人は見た目が大切だという部分はたしかにあるかもしれません。でもそれは、単純に「美人」かどうかということではないと思います。能力重視の社会になれば、生き方に自信が持てる女性が増える。身につけたスキルを生かし、与えられた仕事を生き生きとこなしていれば、自然と周りを魅了するような笑顔がにじみ出てくるものです。それが“見た目”として評価される時代は、すでに幕を開けています。
ジャーナリスト
1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1973年NHK入局。報道記者や番組キャスターなどを務め、2005年よりフリーに。出版、放送など各メディアで活動する。名城大学教授、東京工業大学特命教授、東京大学客員教授、立教大学客員教授ほか。近著に『池上彰の未来を拓く君たちへ』(日本経済新聞出版社)『池上彰の世界の見方 朝鮮半島』(小学館)、『池上彰の世界から見る平成史』(KADOKAWA)ほか多数。